玄関から居間への距離が長く奥深い感じで、居る部屋である居間を外の社会から遮断し、広義のプライヴァシーに私性を保護している。また居間に入る扉にガラスのスリットがあって、中廊下状になって暗くなりがちな居間への経路の行き先、つまりトンネルの出口に、明るい居間からの採光を洩らすことによって、昼間なら照明に頼らずに通過できる。クロゼットを含めれば、収納が充実している。ただし主寝室の衣装棚や予備室には、すでにたんすお手持ちの箪笥や戸棚を置くことにして造りつけ家具はない。また子供部屋は、将来に二部屋に仕切れるように扉が二つあるが、子供が幼い現状では、半分を寝室に、残りの半分を遊び部屋に使うようになっている。子供部屋の衣服収納も現状では造りつけず、手持ちの洋箪笥を利用しているが、いずれは天井に達する造りつけ収納を設け、収納量を増す予定である。また将来の間仕切りは両面から使える本棚を予定し、子供が成長するにつれて増えるはずの、それぞれの蔵書を収納するように計画されている。⑥居間食堂に面して広い板張りのテラスをつくり、ここに耐候性のある椅子やテーブルを置くことによって、春秋の気候のいいシーズンには戸外で食事や午後のお茶をたのしめるようにした。このテラスの床は「ダイニングテラスのある家」と同じく、防腐剤を塗布するのではなく加圧注入した木材を使っている。部分的に腐蝕が生じた場合にその部分だけ取り替えられるような配慮も同様になされている。
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